社会人こそボルダリングをするべきです
僕は37歳で妻と一緒にボルダリングを始めました。
ボルダリング歴は6年以上です。
始めた頃はこんなに続くと思いませんでしたが、今では生活に欠かせない趣味です。ボルダリングはスポーツを超えた魅力がありますよ!
・ボルダリングってどんなスポーツ?
・ボルダリングの魅力って何?
2021年の東京オリンピックで正式種目に選ばれてからスポーツクライミングが注目を集めていています。
ボルダリングは本当に奥深いスポーツです。
この記事を最後まで読んでいただいたら、ボルダリングに興味を持っていただけると思います。
ボルダリングってどんなスポーツ?
4〜5メートルの傾斜のある壁についている突起(ホールド)を使ってゴールまで登っていくスポーツ。
命綱は使わない。落下ポイントは分厚いマットが敷かれている。
課題によって使えるホールドは決められていて、それぞれの課題は難易度(グレード)で分けられている。
競技の場合は1つの課題につき4分〜5分の制限時間でいくつ登れたかを競います。
選手は大会当日まで課題を見ることはできず、他の選手が登っている様子を見ることができません。(競技方法は大会によって違うので、そのほかのルールもあります)
ボルダリングはスポーツクライミングの競技の1つです。
10〜15mの壁を体につけたロープをかけながらどこまで登っていけるかを競うのは「リードクライミング」、そのほか15mほどの壁に世界共通の課題が設定されいてる壁をどれだけ早く登れるかを競うのが「スピードクライミング」です。
僕たちが主にできるのは「ボルダリング」と「リードクライミング」です。
「スピードクライミング」は一般の人が体験できる場所はごくわずかです。
IFSCオリンピック競技紹介動画
オリンピックでは「スピード」「ボルダリング」「リード」の3つの競技の合計ポイントで競う「コンバインド」という競技を行います。
これまで「ボルダリング」と「リード」は並行して行なっている選手は多くいましたが、「スピードクライミング」は全く別物でした。
日本代表選手もオリンピックのためにスピードクライミングを始めています。
スピードクライミングで好成績を収める事が金メダルのカギかもしれません。
世界でも日本のクライミング選手はトップレベルの実力
東京オリンピックに内定している選手たちは全員ボルダリングワールドカップの優勝経験者、世界大会の優勝経験者もいます。
スリムな体格と柔軟性、器用な指先が日本人の強さの秘密です。
社会人が趣味として始める、ボルダリングの魅力とは
日本人がクライミングが強いっていうのはわかったけど、あんな事、とてもじゃないけどできないわ。
もちろん、全く別次元の人たちだからね。
でも、社会人が趣味としてボルダリングをするのはいろんな面でいい事が多いよ。
いいところをたくさん伝えたいから、何から伝えたらいいかわからないぐらいだけど、一つずつ紹介しますね。
ボルダリングは頭を使うスポーツ
ボルダリングは強靭な肉体と強い指、腕の力、柔軟性があれば上達も早いです。
しかし、それだけでは課題はクリアできません。
スタートからゴールまで配置されたホールドを見ながら登り方を考え(オブザベーションと言います)、試行錯誤をしながら登ります。
上達すれば難しい課題を1度見ただけで動きを想像しゴールする事ができますが、自分にとっての最高難易度を登るときは何回もチャレンジし、何日も、時には何週間もかかってクリアすることも珍しくありません。
登れないのは辛いですが、この作業がとても面白く、登り切った時の達成感は何物にも変えられません。
登り方は人それぞれ違う
ボルダリングは大会では男女別に競技しますが、それ以外の階級分けはありません。
一般の営業ジムでは、全ての人が同じ課題を登ります。年齢、性別、背の高さ、体重の違いは関係ないんです。
背が高い人はリーチを活かせる課題が他の人より有利ですが、体をコンパクトに折りたたんで登る場面で不利だったり、指の先だけで掴むようなホールドは体重が重くて持てなかったりします。
背の低い人はその逆です。リーチがないから遠いホールドは飛びつかないといけないけど、背の高い人だと窮屈なポジションでも楽々クリアできるし、手が小さいと小さいホールドが持ちやすく、体重も軽いので保持できます。
柔軟性や課題に対する戦略性の高さも必要です。
自分が登っている姿をイメージできて、イメージ通りの動きができる人は課題をクリアする能力が高いです。
ですから、小柄で力の弱い女性が、筋肉隆々の男性に勝ってしまうのは日常茶飯事です。
同じ課題でも体格や得意な動きの違いで攻略方法が全く違うのがボルダリングの魅力の一つです。
集中力が高まり、仕事のことは一切忘れる
仕事で悶々としていても、ボルダリングジムに行って課題に向き合うことに集中し、ジムに来ている人たちと交流することで仕事のことはすっかり忘れてしまいます。
仕事が終わって疲れているからジムに行くのは面倒だけど、行ってよかった!と思えることがほとんどです。
仕事で嫌な事があった日ほど、ボルダリングジムに行きたくなります。
ただし、あまりに疲れていたら思わぬ怪我をするので無理はしないでください。
成長が実感できる
大人になるほど、自分の成長を感じる機会は減ってくるものです。
ボルダリングは忘れてしまった成長する喜びを思い出させてくれます。
はじめは初心者コースも満足に登る事ができないと思います。
家に帰ったらお箸も持てないぐらい指と前腕が疲れています。
でも、続けていくうちに力もついてくるし、何度もチャレンジした課題ができたとき少しずつでも成長している自分に気づきます。
僕は37歳で始めたから上達はすごく遅いです。6年続けていても運動神経がいい若い子には1年も経たずに抜かれてしまいます。
でも、自分が成長している事が何よりも大事で、嬉しい事なんです。
誰かと競うのではなく、今の自分を超えること
対戦型のスポーツでは、相手に勝った、負けたで喜んだり悔しがったりします。
相手が強いとつまらないし、相手がいないとその競技もできません。
ボルダリングは常に自分との戦い。
今の自分を超えられるか。
何度も失敗をして、「絶対に登れない」と絶望感を感じることはよくあります。
それでも諦めず何日も何日も同じ課題に向き合い、ついにクリアできたときは「自分を超えられた!」という喜びで満たされます。
この喜びを知ってしまったら、ボルダリングはやめられなくなります。
カラダを鍛え、ダイエットの意識が高まる
ボルダリングは全身運動ですが、時には指先だけで全体重を支える事があるので少しでも軽い方が有利です。ボルダリング自体で痩せることはあまり期待できませんが、クライマーは痩せるために日々努力します。
目的が明確だからこそダイエットにも力が入ります。
ボルダリングを続けていればどんどんカラダは引き締まっていきます。
特に肩、背中、前腕が発達し逆三角形の体型を手に入れる事ができます。
ボルダリングジムに来る人は誰もが真剣で、お互いをリスペクトしている
ボルダリングを続けている人は、本当に真剣に取り組んでいます。
だから、強い、弱い関係なく、自分の限界を越えようとしている人をリスペクトし、応援します。
ボルダリングは登っている人を「ガンバ!」と応援します。
知らない人でも関係なく応援します。
登っている人はその応援で諦めずに残った力を振り絞る事ができます。
クリアできたらグータッチで迎えます。
クリアできなくても最後まで力を振り絞った姿を称賛します。
はじめは全く手に負えない課題に対して何度も、何日も挑戦し、一手ずつ進んでいって最後にクリアできた人を見ると感動するし、努力に対して尊敬します。
強いクライマーは当然リスペクトできますが、そうじゃなくてもボルダリングが大好きで毎日のようにジムに来てみんなと楽しく登っている人も同様にリスペクトできます。
仕事以外の人と交流できる
お互いを応援するボルダリングでは、いつしか登り方を一緒に研究し始め、だんだん仲良くなっていきます。名前を聞くのはその後です。
年齢が離れていても仲良くなるし、色々な職業の人がいます。
知的な競技だからなのかお医者さんやエンジニアのようなエリートもたくさんいます。
でも、登っているときは肩書きは関係ないです。
どんな人でもTシャツを来て登っていればクライマーという事以外わからないし、クライマーでさえいればいいんです。
どんな人でも登れないときは登れないし、失敗すればマットに叩きつけられます。
スポーツクラブはひたすら自分と向き合って黙々とカラダを鍛えるけど、ボルダリングでは仲間との交流ができることも魅力です。
ゴルフなんかは会社の付き合いを円滑にするためだったり、接待だったり、仕事が切り離せないこともありますよね。
僕はボルダリングを始めるまで7年ぐらいゴルフに夢中になっていましたが、ボルダリングを始めてからはゴルフは行かなくなりました。
社会人になると、仕事と全く関係のない人と仲良くなる機会は少ないですよね。
かけがえの無い仲間ができる
ジムで仲良くなって、話すようになり他のボルダリングジムに一緒に行ったり、外の岩に登りに行ったり、食事をすることでどんどん仲が深まる時があります。
ジムだけでしか会わない仲間でも、会えるのをいつも楽しみにしています。
そうなると、ボルダリングが自分の生活にとって欠かせないものになり、疲れていてあまり登る気が起きなくてもとりあえずジムに行って仲間と交流してリフレッシュする事ができます。
僕はボルダリングを通じて大切な仲間ができました。
帰省するたびに一緒に登って、食事をします。
単身赴任先の札幌まで遊びにも来てくれます。
妻は東京のジムで仲のいい友達ができてごはんに誘ってもらったり、他のジムに遠征に行ったりしています。
離れ離れの生活でも、ボルダリング仲間がいることで楽しそうなので少し安心しています。
まとめ|社会人こそボルダリングを趣味にしてください
・知的なスポーツなので大人でも楽しめる
・課題に向き合うことで仕事のことを忘れられる
・ダイエットをする明確な目的ができる
・自然にカラダが鍛えられる
・仕事と全く関係ない人たちと交流できる
・かけがえの無い仲間ができる
カラダを動かし心もリフレッシュできる。こんなにいいスポーツはありません。
純粋に強さを目指す人、仲間との楽しい時間を大事にする人、クライミングファッションにこだわる人、クライミングシューズにこだわる人などそれぞれ。(みんな全部大事、という人が多いと思いますが)
強くなる方法もカラダを鍛えてパワーで登る人、柔軟性を重視する人、優れた運動神経で軽やかに登っていく人などそれぞれです。
一人ひとりの個性が活かせるスポーツなので自分のスタイルで楽しむ事ができます。
ボルダリングが初めての人はジムのドアを開けるのも躊躇してしまうかもしれませんが、思い切ってドアを開け、新しい世界に飛び込んでみてください!
ボルダリングはその人なりの楽しみ方があるから、運動神経なんて関係ないです。
真剣に楽しめれば誰でも立派なクライマーです。
まだまだ語りきれない魅力がありますが、実際に体験してボルダリングの魅力を感じてください!
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