単身赴任のために家を出発する前日の出来事

単身赴任生活
(写真はイメージです)

一生忘れることのない、初めて妻と離れ離れになる日

東京は桜が咲いていました

札幌への事例が出て、単身赴任をすることが決まってからの1ヶ月は仕事の引き継ぎや家探し、家財道具の準備、そして送別会などバタバタと日々を過ごしていく中であっという間に家を離れる前日がやってきました。

東京は桜が咲いています。

近くの公園に妻と散歩がてらぶらぶらと花見に出かけました。

「綺麗だね」なんて話しながら写真を撮ったり、喫茶店でお茶したり、いつもと変わらない休日の景色です。

(明日はもう寒い札幌にいるんだな…)そんな思いがあることを除いては。

突然訪れた別れの実感

夕食もいつも通り。自宅で食事を済ませテレビをだらだと見ていました。

画面に流れていたのは歌番組でした。

僕はソファの前に寝転がって、妻は後に座っています。

歌番組では秦基博さんが歌っていました。

歌っていたのは『ひまわりの約束』 

ふと後ろの妻を振り返ると妻が涙を流していました。

その時、急に別れる寂しさがこみ上げてきて僕も涙が出てきました。

どうして君が泣くの?

まだ僕も泣いてないのに

自分より悲しむから

つらいのが どっちかわからなくなるよ…

引用:秦基博 『ひまわりの約束』

普段、歌の歌詞なんか特に気に留めずに聞いていたのに、この瞬間この歌の歌詞が心に深く染みてきました。

なんでこのタイミングで、こんなに今の気持ちに刺さる歌が流れるんだろう?

そばにいたいよ

君のためにできることが 僕にあるかな

いつも君に ずっと君に 笑っていてほしくて

ひまわりのような まっすぐなその優しさを 温もりを全部

これからも僕は 届けていきたい

ここにある幸せに 気づいたから

引用:秦基博 『ひまわりの約束』

つらいのは僕ではなく妻の方だった

東京での激務に心身ともに疲れ果てていたなかでの札幌転勤は、妻と離れる寂しさがありながら内心ほっとしていたところがあります。

北海道は学生時代に自転車で旅をした思い出の地。

そこに住めるという喜びもありました。

家財道具を揃えたり、新しいノートパソコンを買ったりするのも少しワクワクしていました。

この年に大型バイクの免許を取って夢だったアドベンチャーバイクを手に入れた半年後の札幌転勤。

バイクショップの店長からは羨ましがられ、僕もいい気になっていました。

北海道でのツーリングに思いを馳せて、妻に話していた時もありました。

そんな浮かれた僕を横で見ていた妻は、どんな気持ちだったんだろう?

きっと寂しかったに違いない。

普段あまり感情を表に出さない妻。

転勤が決まっても淡々と日常を過ごしてきている様子を見て、「あんまり寂しくないのかな?」なんて思っている時もありました。

そんなことあるわけないです。10年以上連れ添った夫婦ですから。

そんなことも気づかない僕は、どうしようもないバカだ。

仕事が辛くたって、家族が一緒にいられる方がよっぽど大切なのに。

札幌に赴任する前日に、家族の大切さと妻から受けている愛の大きさに気づかされました。

気づくのが遅いだろっっ!

ごめんね…そばにいられなくて。

なくした時に初めてわかる大切なこと

「大事なものは無くした時に初めてわかる」

よく言われることですが、「そうだよな」と思うことはあっても、心の底から実感したのはこの瞬間が初めてでした。

別れるわけではないけれど、これから数年間は夫婦の時間はなくなります。

無くなっていく時間が何年続くのかわかりません。

40歳になるまであと数日。

自分が今までどれだけ幸せな日々を送ってきたのかがわかりました。

そして、自分にとって一番大切なものもよくわかりました。

単身赴任の過ごし方

会社の人事は自分の思うようになることではないけど、与えられた環境でしっかり仕事をして結果を出そう。

妻に迷惑をかけないように、自分のやりたいこともやろう。

迷惑をかけないように、と言っても単身赴任をしているだけで精神的にも経済的にも負担をかけています。

離れていても二人三脚で生きていこう。

たまに札幌に来てもらって、二人でおいしいものをたくさん食べよう。

若い頃、自転車旅行で見た感動的な景色をいつか妻にも見てもらおう。

そして、歳をとった時に札幌に単身赴任をした時のことを二人で楽しく思い出せるような日々を送ろう。

単身赴任の過ごし方をそう決めました。

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